カヤック東京湾ほぼ一周 vol.3「東京湾を目指して(その1)」
- roki

- 7月10日
- 読了時間: 2分
更新日:7月15日

「そうだ、多摩川をカヤックで下って、東京湾まで行ってみよう!」
初漕ぎの翌週、ふと思いついた。土手にある標識では「海から25K」となっている。1時間で歩ける距離は大体5キロ。海までずっと土手を歩いていけば5時間。ならば、川の流れに乗ってスイスイ下っていけば、2〜3時間で海に出られるのでは?


一番エントリーしやすそうな、二ヶ領用水取水堰の下から意気揚々と出発(前の週に初漕ぎをしたのは、この堰の「上」だった)。
出発直後、いきなり浅瀬に隠れた岩の上に船首が乗っかってしまい舟が停止。モタモタしている間に、水流で船尾が押されてクルっと180度回転。必死にパドルを動かして抵抗したが、そのまま後ろ向きで流されてしまい、岸から突き出た護岸用のコンクリートに船尾が激突。
「うっ!」
衝撃で舌を噛みそうになり、目の前で文字通り星が散った。
幸い、船尾がつかえている間に、今度は船首を水が押してくれて、舟の向きがゆっくり元に戻った。
助かった。
やがて川幅が広くなり、流れも緩やかになってきた。やっと、まともな格好で川を下り始めた。
スイスイ気持ちよく漕いでいると、今度は突然パドルが川底の石をガリっと引っ掻いた。気付いた時にはもう遅い。川底の泥が間近に見えている。
スーッと川底を船底がこする音がして、座礁。
「・・・・・」

身動きが取れない。川の中で尻もちをついたようなものだ。パドルでガリガリと川底をかき、お尻を浮かし気味にして脱出を試みた。
しかし、お尻を浮かしたところで体重は減らない。舟は微動だにしない。
仕方なく、立ち上がって舟から降りた。
「?」
なんと、川の水は「くるぶし」までしかなかった。
その後はメンタルの回復を図りつつ、気合で二つの早瀬を通過し(といっても、恐いので漕がずに降りて浅瀬を引っ張った)、更に一つの巨大な堰(二ケ領取水堰)を通過(落差があるので、そこでも舟を降りて川岸を引っ張って歩いた)。

漕ぎ始めて4時間、ようやく二子玉川のビル群が見えてきた。全身ずぶ濡れだったが、水しぶきではなく、大量の汗だった。未だ太陽は高かったが、水筒は空っぽ。既に体力は尽きていた。

2013年当時の二子玉川の遠景。今よりも建物が少ない…
3時間程度で着くはずの東京湾(羽田空港付近)は未だ遥かに遠く、残り18kmも残っていた。
初回はここまで!
(つづく)



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